ノロウイルス 健康

乳幼児、子供がノロウイルスにかかったときの意外な落とし穴!体験談&対処法

ノロウイルスの基本情報②~潜伏期間・症状~にも記載したとおり、ノロウイルス感染症は嘔吐や下痢が主な症状です。

そのため脱水症にならないように水分補給をすることが大切であることはご存知の方が多いと思うのですが、低血糖にも十分気をつけなければなりません。

乳幼児、子供がノロウイルスにかかったときの具体的な対処方法を我が家の体験と共にお話ししたいと思います。

 

脱水と低血糖で危うく子供が命を落としかけた・・・我が家の体験談

うちの子供は1歳の時に胃腸炎にかかり(検査はしていないのではっきりとノロウイルスとはわかりませんが)とにかく嘔吐下痢を1日で何回も繰り返しました。

水分や食事とらせてもすぐに吐いてしまうし、下痢は黄色く酸っぱいにおいの水様便を繰り返していました。

受診した病院では「吐いているうちは欲しがっても水分を与えないように」と言われたのですが、具体的に吐く量や頻度がどの程度ならば、といった程度感はよくわかりませんでした。

水分を摂らせると吐いて余計に脱水になると思っていたので、医師に言われたとおり水分は控えていました。

ただ、水分をまったく摂らないのも危ないと思ったので、嘔吐が落ち着いているときに麦茶を少量ずつ与えるようにしていました。(経口補水液は嫌がって口にしませんでした)

すると突然、抱っこ中に意識を失い、両目は半開きで右上を向き、口からは泡を吹き、全身は固くピンと伸びました。息をしていたのかもわかりません。

声をかけて、揺すってみても反応はありません。

この状態が1~2分続いた後、今度は全身の脱力。息はかすかに確認できましたが、ぐったりしていてまるで人形のようでした・・・。

すぐに夫が救急車を呼びましたが、その間も意識は戻らず、横向きに寝かし、口から出てくる泡を拭くことしかできませんでした。

5分後くらいに救急車が到着したと同時に、突然大泣きし始めました。

小児救急の受け入れがある病院に搬送され、点滴、採血検査をおこないましたが、その間も大泣き。

点滴をしながら処置室から出てくると泣き止んではいましたが放心状態。

検査の結果は『脱水によるけいれん発作』でした。

医師の説明によると、「脱水により腎機能がかなり悪くなっていて、さらにケトン体も3+出ている。血糖値も30台で(小児の正常血糖値は65~100)低血糖。危険な状態。」ということで即入院となりました。

*ケトン体が出ているということは簡単に言うと飢餓状態ということで、血中に増えすぎると、嘔吐などの症状が出たり、ひどいと昏睡や意識障害が起こります。

入院中の2日間は点滴のみ、3日目からは少しずつ食事が食べられるようになり、5日目には無事に退院することができました。

けいれんを起こしたので脳波の検査を入院中と退院6か月後に計2回行いましたが、特に問題もなく、元気になりました。

命を落としたり、障害が残るなどしてもおかしくない状態だっただけに、本当に無事に助かってよかったと思っています。

私は、低血糖でけいれんを起こすとは知りませんでした。

水分だけでなく、ミネラルや糖分の補給を適切にできていればここまで悪化することもなかったのでは・・・と自分の勉強不足を反省しています。

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子供は大人よりも簡単に脱水になりやすい!?

赤ちゃんや子供の肌には弾力があり、もちもちでピチピチしていますよね。

これは体の中の水分の割合が多く、体の70~80%を水分が占めているからです。

一方、大人の水分の割合は60%程度です。

人の体は細胞からできており、水分は細胞の中にも細胞の外にもあります。

脱水になっても細胞の中の水分はほとんど変化しませんが、細胞の外の水分は大きく変化します

大人と子供では体内の水分量の違いのほか、細胞の内外の水分のバランスも大人とは異なります。

  細胞内 細胞外
大人(水分60%の内訳) 40% 20%
子供(水分80%の内訳) 35% 45%

上の表のように子供は細胞外の水分が占める量が多く、下痢や嘔吐・発汗などによって変動(=失われやすい)ことがわかります。

そのため、大人よりも簡単に脱水になりやすいのです。

 

脱水になると、乳幼児や子供はどんな症状がでるの?

脱水の症状はさまざまで、脱水の程度にもよりますが、以下のような症状が現れやすいです。

●機嫌が悪い
●泣き止まない
●元気がない
●目がうつろになる尿の回数が少ない
●尿の色が濃い
●口の中が乾く
●意識障害
●頭痛
●食欲低下
●倦怠感
●けいれん など

これらの症状は、脱水で体の水分が失われるだけでなく、体内のミネラルも一緒に失われてしまったり、水分量の減少で体の血液の流れが悪くなったり、低血糖になったりすることで起こります。

*ミネラルとはナトリウムやカリウムなど、体内では作ることのできない元素です。

単に脱水と侮らず、重篤な結果につながる恐れがあるということを肝に銘じて、脱水の疑いがある場合にはすぐに医療機関を受診し、水分やミネラルを補うための適切な治療を受けましょう。

また、嘔吐や下痢、発熱による発汗など脱水につながる病状がある場合は、脱水状態にならないように対処できるようにしておきたいものです。

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乳幼児や子供が嘔吐・下痢となった場合の具体的な対処方法

  • 嘔吐中は水分を与えても、再び嘔吐し悪化する可能性もあるため、1時間くらい胃腸を休ませましょう。
  • どうしても水分を欲しがる場合はティースプーン1杯程度の水分や氷のかけらなどで乗り切りましょう。
  • 嘔吐が治まって1時間くらいたったら、水分(なるべくなら経口補水液)を大さじ1杯程度を与えましょう。
  • ふたたび吐き気が出ないようなら大さじ2杯程度を与え、様子をみながら少しずつ増やしていきます。
  • 経口補水液を嫌がる場合は代わりに麦茶などを与えつつ、飴やラムネ、ブドウ糖などで低血糖を予防しましょう。
  • 嘔吐が治まり、水分がとれるようになってきたら、おかゆやすりおろしたリンゴなど消化の良いものを与えていきます。

子供は代謝が未熟なので、嘔吐下痢で血糖値が下がりやすく、血糖値が低いと水分の吸収も悪くなり脱水が悪化するようです。

うちの子の場合も低血糖になりやすいようで、かかりつけの小児科の先生には『嘔吐したらすぐにブドウ糖や飴を与えましょう。小学校に入るまでは注意するように。』と指導を受けました。

その後も嘔吐や下痢によって脱水・低血糖になりかけた場面がありましたが、入院時の経験と医師からのアドバイスをもとに常備したブドウ糖と的確な水分を与えることができるようになり、重篤な症状には至らず回復できるようになりました。

まとめ

ノロウイルスなどの胃腸炎による嘔吐・下痢は、脱水だけでなく低血糖にも注意が必要です。

子供の体は小さく未熟なため、大人と違い「あっ」という間に体調が悪化することがあります。

子供の体調が悪い時「あれ?いつもと違う?」と思ったら、その直感を信じて早めに病院に連れて行くなどの対処をされることをおすすめします。

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