以前の記事にも書きましたが、ノロウイルスは「わずかなウイルス量で感染する」「アルコール消毒は効かない」という特徴を持っています。
それだけ強いウイルスということなので、嘔吐などで汚れた場所やモノ、服の処理は慎重に行う必要があります。


ノロウイルスの弱点は主に次亜塩素酸と、もう一つは高温です。
ノロウイルスで汚染された場所やモノに対しては、85℃・1分間以上で高温処理することが推奨されていて、約100℃の高温スチーム(蒸気)を出せるスチームクリーナーは使い方次第でノロウイルスを死滅させることができます。
今回は、我が家で行っているスチームクリーナーを使ったノロウイルスの消毒法をご紹介します。
そもそもスチームクリーナーってなあに?
スチームクリーナーとは、水を約100℃の高温スチーム(蒸気)にし汚れを落とす掃除道具です。
我が家にはハンディタイプのスチームクリーナーがありますが、時々キッチンや浴室、洗面所周りを掃除しています。スチームがとても高温なので油汚れ、魚焼きグリルの汚れ・ニオイ除去に十分に威力を発揮してくれています。
うちのスチームクリーナーです↓古いですがまだまだ現役です(笑)
我が家は基本的に掃除でしか使っていなかったのですが、このスチームクリーナー、目に見える汚れを落とすだけじゃないんです!
スチームクリーナーの除菌効果がすごいっ!!
ノロウイルスも含め、ウイルスや細菌はどこに付着しているか見えないのでとっても怖いですよね・・・。
色々なスチームクリーナーが販売されていますが、ほとんどが約100℃の高温スチームで、大腸菌や食中毒菌、感染する菌を99%除菌できるようです。
ノロウイルスは85℃で1分以上の高温処理で死滅するということは、使い方によってはノロウイルス対策にも使えるということです。

世にも恐ろしい、わが家の真夜中の体験談
わが家ではいつも家族そろって川の字で寝ているのですが、忘れもしないあの夜、1歳児(当時)が突然ベッドの上で嘔吐し始めました。
暗かったし、私も寝ぼけていたせいかムセているだけかと思ったら、電気をつけるとベッド上はすでに地獄絵図で、その後も吐き続けたのですが、嘔吐を受け止めるものもなく、夫ともに地獄絵図が広がっていくのをただ見ていることしかできませんでした・・・。


時期は冬だったので、ノロウイルスの可能性が高いと思い、汚染物の処理は慎重に行いました。
処理は適切にしたつもりで、その後は私や夫がおなかが痛かったり下痢も少しありましたが、幸い重症化せず、嘔吐もありませんでした。
そこで、この地獄絵図に対して実際におこなった処理方法や使用した物品を紹介します。
嘔吐物や便が布団やベッドに付着した場合の処理方法
簡単に順序を説明すると、
①汚物を取り除く
↓
②消毒をする
↓
③洗濯できるものは洗濯をする。
洗濯できないものはスチームクリーナーを噴射。
簡単そうに思えるのですが、ウイルスは見えないためどこまで付着したかわかりませんし、付着したまま乾燥するとまいあがり、まいあがったウイルスを吸い込むことによる空気感染の恐れもあります。
また、ほんの少しのウイルス量(10個~100個程度)でも体に入ってしまうと感染の恐れがあるため、処理は正しく・慎重に・徹底して行う必要があります。
【準備するもの】
- 使い捨てのビニール手袋(数枚準備)
- 使い捨てのビニールエプロン
- マスク
- ティッシュやペーパータオル
- ビニール袋(大・中サイズを多めに)
- 次亜塩素酸水スプレー
- スチームクリーナー
具体的な処理方法 その①
汚染されている人はとりあえずお風呂へ直行です。服を脱ぐときに汚染が広がらないように注意しながら脱ぎましょう。
脱いだ服や触れたものは消毒が必要ですが、お風呂で脱がせればなら最後に掃除も兼ねてスチームクリーナーで除菌をすることができますのでおすすめです。
体は念入りにシャワーと石鹸で洗い流します。
*冬場は寒いので湯船で温まりたくなりますが、二次感染予防のためシャワーのみをおすすめします。もし温まるなら他の家族が入った最後に感染者一人で入り、出た後はお湯を抜いて湯船を洗い、最後に次亜塩素酸水スプレーかスチームクリーナーでバスタブと周囲を除菌しましょう。
具体的な処理方法 その②
布団やベットの汚物を取り除く前には、必ず、使い捨てのビニール手袋(二枚程重ねて使うと安心)と使い捨てのエプロン、マスクを着用します。
飛沫を吸い込まないようにすること、汚物が直接皮膚に付かないように防護します。
具体的な処理方法 その③
汚物に対して次亜塩素酸水をスプレーします。(ウイルスの弱毒化を狙った念入り行為なので、直接汚物を取り除きにかかっても良いと思います)
汚物をティッシュやペーパータオルで取り除きビニール袋へ捨てます。汚物が入ったビニール袋は二重以上にして念入りに隔離しましょう。
汚物を取り除いた後に、汚染エリアに対してさらに次亜塩素酸水をスプレーします。このとき、目に見えないウイルスが飛び散っている可能性があるため、汚染エリアよりも広い範囲にスプレーします(わが家は1メートルくらいの範囲にスプレーしました)。
次亜塩素酸水スプレーは、ドラッグストアやホームセンターなどで入手することができますが、皮膚に触れると荒れる・吸い込むと危険・金属腐食・布製品の退色など好ましくない作用を起こす可能性のあるものもあります。わが家では、手などの皮膚やマスクに吹きかけて使用しても害のない安全性が高いタイプのものを利用しています。
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わが家では冬場だけでなく、一年中家の中や外出先での除菌・消毒で大活躍しています。
具体的な処理方法 その④
洗えるものの場合は付着した汚物中のウイルスが飛び散らないようにタライや浴槽に入れ、汚染された範囲を中心に静かにすすぎます。
厚生労働省のホームページによると『下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。』と記載してありますが、一般家庭には熱水洗濯機なんてないですよね。また家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できますが漂白作用がありますので使用に当たっては「使用上の注意」をしっかりと確認し、気をつけて使いましょう。
そこで、スチームクリーナーの登場です。汚染物の水気をある程度切った後、なるべく飛び散らないようにスチームをまんべんなく1分以上噴射します。
具体的な処理方法 その⑤
洗えないカーペットや布団・ベッドマットレスの場合ですが、厚生労働省のホームページによると『布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。』とありますが、乾燥させるとウイルスが舞い上がり空気感染の可能性も出てくるため、乾燥する前にウイルスを死滅させることが重要ポイントと思います。
我が家ではここでもスチームクリーナーの登場です。汚物が飛び散っている可能性があるので、広めにまんべんなく1分以上噴射します。
乾燥したあとも不安なのでおまけに次亜塩素酸水スプレーをシュッシュしました。
部屋にはクレベリンも設置して二次感染予防としました。
まとめ
- ノロウイルスはごくわずかなウイルス量でも感染するため、二次感染で家族全員が感染してしまったり、公共の場でも集団感染を引き起こすことがある恐ろしいウイルスです。
- ノロウイルスの感染者が発した汚物は、正しく・慎重に・徹底した処理を行い、二次感染を防ぐことが重要です。
- ノロウイルスには一般的なアルコール消毒では効果がなく、高温または次亜塩素酸ナトリウムでの処理が有効です。
- 次亜塩素酸ナトリウムを含んだものは、塩素系漂白剤のハイターなどが挙げられますが、「皮膚に害がある可能性がある」「吸い込むと危険」「希釈する手間がかかり、濃度の調節が難しい」「噴霧したモノが色落ち、腐食する可能性がある」「ベッドやカーペットなど、丸ごと洗えない物などには使いづらい」といった一面があります。
- スチームクリーナーは、約100度の高温スチームを強力に噴射し、カーペットなど洗えないものでも奥までしっかりと熱を届けてウイルスを死滅することができますし、水しか使わないので安全・安心です。消臭効果も期待できますので、ノロウイルスの汚物の処理には、スチームクリーナーが最適ということです!


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